10年ほど前になるだろうか。
私は、
車を購入する前から、
ナビゲーションはいい物をつけよう!
と思っていた。
車両が届く前に、
知人の整備工場にお願いして、
当時最新のナビゲーションシステムを注文していた。
パイオニアのサイバーナビだ。
当時、
最先端のナビゲーションだった記憶がある。
結構な金額だったが、
軽自動車とはいえ新車であるし、
元々自動車に妥協はしたくない性格なので
思い切って購入した。
車両が届いたら、
知人の整備工場を間借りして、
ナビゲーション取り付けを行った。
私は日中仕事をしているため、
夜になってからの作業だ。
夕方から準備を始めた。
整備要領書も準備し、
ナビゲーションも一式確認し、
作業に備えた。
実際の部品の量も凄かったと思う。
取り付けには慎重に慎重を重ねなければいけない。
まず、
車体の内装の分解からだ。
まずはドアの内張の取り外しから行った。
スピーカーを取り付けるためだ。
通常のドアの内張に関しては、
これまで自動車整備でいつも行ってきていることなので、
たいして難しいと感じたことはないが…
このタントに関しては、
正直、なんだ??
と思った。
普通通りに外せない作りになっていた。
普通、ビスなどの取り付け部品が無く、
引っ張るだけで取り外しできるようなところが、
ビスなどは無く、
まず横にずらして、そして上に引き上げる。
このような手順で外すようになっているのだ。
この外し方は初めてだったので、
理解するまでに時間がかかってしまった。
そこさえ分かれば、
あとは同じ作業を繰り返すだけ。
ドア4枚分だ。
分解し終えたら、
次は、
インストルメントパネル周辺の取り外した。
ここに、
ナビゲーション本体、
及びモニターを取り付ける。
ここが一番気を遣う。
一番目につく部位であるし、
傷でも入れようものなら、
かなりショックだ。
内張を外す為に使用する道具にも、
傷が入らないようにマスキングテープを貼ったりする。
パネル類を外したら、
後は、各配線を確認しながら、
間違えることのないように慎重に組み付けていく。
配線に関しては、
各整備要領書を確認したり、
ナビゲーションシステムに同封されている、
取り付け要領書をよくチェックしておく。
配線ミスは、ナビゲーションが正しく動かなくなる原因になるので、
慎重に作業を進めていく。
テスターなども使用しながら。
配線同士を組み付ける(結線)とき、
接触不良を起こさないように気をつける。
車速センサー
パーキングスイッチ
リバーススイッチ
だいたいこのあたりの配線を使用する。
あと、
走行中にテレビが映るように、
配線の処理を行った。
走行中にテレビが映らなくなる仕組みさえ分かれば、
後は簡単だ。
ナビゲーションシステムに擬似信号を送ってあげればいいのだ。
実際は走行していても、車両は走行していないと思わせればいいのだ。
そういった小さな処理をしつつ、
作業を進めていく。
また、
余った配線の処理にも気をつけたい。
いかに、純正っぽく仕上げるかも、
作業のポイントだ。
余った配線はとにかく丁寧に処理する。
無駄に、マットの下に潜らせたりすると、
足元のマット膨らんだりしてきたりする。
そうすると当然見た目も悪い。
見えないところも丁寧に作業することが大切だ。
大きな部品を取り付けたら、
最後はアンテナ取り付けだ。
昔は車両の外につける、
アンテナばかりだったが、
このサイバーナビの時代あたりから、
テレビのアンテナなどが、
室内のガラスの内側に貼付けるタイプが主流になっていった記憶がある。
まずはフロントガラスにアンテナを貼付けた。
フロントピラー部など一部の部品を取り外す必要があるが、
それほど難しい作業ではない。
貼り付けが終了したら、
最後はリヤガラスへのアンテナの貼り付けだ。
これが大変だった。
配線をなるべく見えないようにしなければならないからだ。
これが結構頭を使う作業だ。
最後の難関を切り抜けたら、
やっと作業は終わりだ。
今思い出しても、
楽しかったが大変だった。
夜中の作業だったので、
知人にも大変迷惑をかけた。
今となっては、いい思い出となっている。